《単体》
17族元素(周期表の右から2番目)1価の陰イオンになりやすい。
・色
塩素が黄緑色は出題多め。臭素は有機の分野での付加反応などにも関わってくるため暗記必須。
・沸点
これらは無極性分子なので、分子量が大きいほど、分子間力が大きくなるため、沸点が高くなる。
・酸化力
酸化力は、陰イオンになりやすいものほど大きくなる。
〇塩素
【製法】
<1> MnO₂+4HCl→MnCl₂+2H₂O+Cl₂
酸化マンガン(4)に濃塩酸を加えて加熱する。
<2> Ca(ClO)₂・2H₂O+4HCl→CaCl₂+4H₂O+2Cl₂
高次さらし粉に塩酸を加える。
【捕集法】
下方置換法
【性質】
・刺激臭をもち、黄緑色の気体。
・殺菌、漂白作用がある。
・水と反応して次亜塩素酸を生じる。
Cl₂+H₂O→HCl+HClO
次亜塩素酸の塩である次亜塩素酸ナトリウム NaClO は漂白剤として使われる。
〔補足〕
この反応において、Cl₂は酸化剤かつ還元剤である。酸化還元反応を完璧に理解できている人かどうかがここで分かる。
〇ヨウ素
【性質】
・水に溶けにくく、有機溶媒に溶ける。
・ヨウ化カリウム水溶液に溶け、三ヨウ化物イオンを生じる。
I₂+I⁻⇄I₃⁻
《ハロゲン化水素》
HFのみ弱酸。その他のHCl、HBr、HIは強酸。
〇HF
【製法】
CaF₂+H₂SO₄→CaSO₄+2HF
ホタル石に濃硫酸を加えて加熱する。
これは弱酸遊離の反応ではなく、濃硫酸の不揮発性を用いた反応である。
【反応】
SiO₂+6HF→H₂SiF₆
ガラスを溶かす。
【性質】
弱酸であり、比較的沸点が高いのはフッ化水素の分子間に水素結合が作られるからである。
〔補足1〕
電気陰性度の大きいF、O、NとHの結合はとても強力な水素結合を作る。
〔補足2〕
フッ化水素酸は化合物ではなく、混合物。なぜなら水に溶けたものをフッ化水素酸と呼ぶから。
〇塩化水素
【製法】
NaCl+H₂SO₄→NaHSO₄+HCl
塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱する。
〔補足〕
H₂SO₄は二段階に電離をする。
H₂SO₄⇄H⁺+HSO₄⁻
HSO₄⁻⇄H⁺+SO₄²⁻
ただし2番目の電離は少ししか行われない。
【反応】
NH₃+HCl→NH₄
アンモニアと塩化水素が反応し、白煙を生じる。
《ハロゲン化銀》
水に溶けるのは、フッ化銀のみ。
塩化銀は、アンモニア水では
[Ag(NH₃)₂]⁺ ジアンミン銀(1)イオン
を形成して溶ける。
すべてのハロゲン化銀は、チオ硫酸ナトリウム溶液には
[Ag(S₂O₃)₂]³⁻ ビスチオスルファト銀(1)イオン を形成して溶ける。
これらは代表的な錯イオンである。
〔補足〕
錯イオンとは、金属イオンに配位結合してできたものである。
《ハロゲン化鉛》
ハロゲン化銀とほぼ同じ。
フッ化鉛のみ水に溶ける。
塩化鉛は熱水にのみ溶ける。
ヨウ化鉛は黄色である。
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