《単体》
《化合物》
〇H₂SO₄
【製法】
<接触法>
(1)2SO₂+O₂→2SO₃
触媒:酸化バナジウム(5)
(2)SO₃+H₂O→H₂SO₄
三酸化硫黄を濃硫酸に吸収させて発煙硫酸とし、これを希硫酸で薄めて濃硫酸とする。
〔補足〕
発煙硫酸は濃硫酸に三酸化硫黄が過剰に入っているものと考えられ、(つまり濃硫酸よりも濃い)水の割合の大きい希硫酸を加えることで、希硫酸は三酸化硫黄を吸収し、濃硫酸になる、ということ。
【性質】
・濃硫酸
濃度が約98%。
<1>弱酸 水が少なく電離不可
<2>強い酸化作用
<3>不揮発性
<4>脱水作用(有機で頻出)
<5>吸湿性
<6>溶解熱大
急に水で薄めると危険
・希硫酸
ほぼ水。
<1>強酸 ほぼ電離
<2>沈殿反応 Ca²⁺、Ba²⁺、Pb²⁺を加えると白沈
〇H₂SとSO₂
【製法】
H₂S:FeS+H₂SO₄→FeSO₄+H₂S
弱酸遊離の反応
SO₂:<1>Cu+2H₂SO₄
→CuSO₄+2H₂O+SO₂
銅に熱濃硫酸を作用させる。
<2>Na₂SO₃+H₂SO₄
→NaSO₄+SO₂+H₂O
亜硫酸ナトリウムに希硫酸を加える。
【共通の性質】
下方置換、弱酸、還元剤
・H₂S+I₂→2HI+S
溶液が白濁
・SO₂+I₂+H₂O→H₂SO₄+2HI
強酸と強酸が発生し、pHが大幅に下がる。
還元性としての強さは SO₂<H₂S なので
・SO₂+H₂S→3S+2H₂O
溶液が白濁
【相違の性質】
H₂S:腐乱臭、可燃性
SO₂:刺激臭、不燃性
硫化水素は、金属イオンと沈殿を作る。
液性により沈殿するかどうか決まるので、分離や検出に用いられる。
また、顔料にも用いられる。
例:CdS 絵の具の黄色
HgS 高温で鳥居の朱色
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